まらやの司法書士合格ブログ

ところで…最近…不動産登記法の書式集の整理しようと思って…東京法経学院の「司法書士書式征服システムノート」に集約し始めました。



書式集のひな形としては…よくできていると思います。

だいだいの申請書例は…載っています。

個人的には…「ブリッジの理論編」よりも…しっかり確認できる感じで…使いやすいです。

なので…この「司法書士書式征服システムノート」を見れば…書式の書き方は完璧！みたいなものに仕上げるべく…他の問題集の知識を集約し始めました。

まずは…こいつからです…(笑)



司法書士「不動産登記法」記述式基本問題集（新版）



セミナーの基本問題集シリーズの…不動産登記法記述バージョンです。

なんか…新版が出たみたいです。

このセミナーの基本問題集シリーズは…本当にいい問題集だと思います。

他の受験生の方に…「いい問題集ある？」って聞かれて…必ず紹介させてもらう問題集ですが…


絶対に…誰も使ってくれません(笑)


本当にいい問題集なのに…って…いつも不思議に思う問題集です(笑)

択一用では…会社法や…民訴系の基本問題集シリーズは…いいですよ。ぜひ(笑)

憲法は…いまいちでしたけど…彡(-ω-；)彡

で…記述用の…不動産登記法の基本問題集も…かなり使えます。

ほとんどの論点はカバーしてます。

で…今…

この…「記述用不動産登記法基本問題集」をバラバラにしながら…東京法経のシステムノートに集約しています。

これで…きっと…最強のスタンダード書式集（不動産登記編）ができるはず…(笑)

セミナーの基本問題集が集約できたら…ブリッジも集約するつもりですが…もう付け加える知識は残ってないような気がします…(*^ｍ^)o==3プッ

あとは…登記記録の読み方や…事案の分析の仕方…論点喚起の仕方とか…別途…訓練が必要ですが…

とりあえず年内は…「システムノート」に情報を集約しようと思います。

ところで…

今回のタイトルは…「最強のスタンダード書式集（不動産登記編）」…ってなってますが…

「最強のスタンダード書式集（商業登記編）」の記事はありません(笑)

商業登記に関しては…もう完璧なものがあるので…･:*:･ﾟ☆ｄ(≧∀≦)ｂﾟ+.ﾟ

全然…頭に入ってませんが…(爆)

では…次の記事は…「BU講座夏祭りレポート～会社法リンク以外」の記事か…

映画にもなっているようですが…

漫画「イキガミ」の盗作疑惑問題の記事について…書きたいと思います(笑)

→映画「イキガミ」オフィシャルサイト

→漫画「イキガミ」について（星新一公式サイトより）


以上です（｀∀´）ノ彡

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利息の特別登記とは・・・

まずは…条文の確認です☆

（抵当権の被担保債権の範囲）
第三百七十五条 　抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の二年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。ただし、それ以前の定期金についても、満期後に特別の登記をしたときは、その登記の時からその抵当権を行使することを妨げない。
２ 　前項の規定は、抵当権者が債務の不履行によって生じた損害の賠償を請求する権利を有する場合におけるその最後の二年分についても適用する。ただし、利息その他の定期金と通算して二年分を超えることができない。


つまり…

●利息その他の定期金を請求する権利を有する場合
→満期となった最後の２年分についてのみ抵当権を行える（375Ⅰ）

●債務不履行により生じた損害賠償を請求する権利を有する場合
→利息その他の定期金と通して最後の２年分についてのみ抵当権を行える（375Ⅱ）

ただし…最後の２年分より前の利息・損害金であっても、満期となった後、特別の登記をすれば、その登記の時から抵当権によって優先弁済が受けれる（375Ⅰただし書）



次に注意するポイントです☆

（注意するポイント）

①利息の登記登記は、延滞利息を抵当権によって担保させる登記であって、重利ではない。よって、被担保債権額は増えない。

　※重利の登記の申請書は…また、ブログで取り上げたいと思います。

②抵当権の変更登記なので、登記上の利害関係を有する第三者がいる場合、承諾を証する情報等を提供すれば付記登記、提供しなければ主登記。

③登記事項の変更の登記ではないので、「変更後の事項」と記載しない。

④債務者と設定者が異なる場合は、延滞利息についての新たな物上保証契約が必要になるので、登記原因は「年月日から年月日までの利息の担保契約」と記載する。


最後に申請例です。

（登記の目的） １番抵当権の利息の特別登記（付記）
（登記原因）　　平成17年10月20日から平成19年10月19日までの利息延滞
（登記事項）　　延滞利息　金60万円
（申請人）　　　権利者　Ｘ
　　　　　　　　　義務者　Ａ

（添付書面）　登記済証
　　　　　　　　登記原因証明情報
　　　　　　　　ＸとＡの委任状
　　　　　　　　Ａの印鑑証明書
（課税価格）　金　　60万円
（登録免許税）金　2,400円

以上です。

とりあえず…下記の事案で申請書を作成してみて下さい。解けそうで…解けない！？仕上がりになっています…たぶん…（笑）


[前提]
ＸはＡに対し、平成12年10月20日付の金銭消費貸借契約により金1000万円の貸金債権を有している。そして、同日、その債権を担保するため甲土地に抵当権を設定し、その登記を完了した。

[問題]
甲土地乙区１番で登記された抵当権の被担保債権に関し、Ａは平成17年10月20日から平成19年10月19日までの利息金60万円の支払いを延滞した。そのため、平成19年12月19日、その延滞利息について民法第375条第1項ただし書きにより、利息の特別登記を申請することを合意した。

申請書はどうなるでしょうか…。

細かい注意事項は無視しておおらかに考えてみて下さい（笑）
無視できない注意事項が抜けている場合は…想像力豊かに…なんとかクリアして下さい（笑）
本当は…「仮に…」問題で行こうかと思ったのですが…って言えば…何かピーンと来ますでしょうか…。
続きは…解答編で…☆

特に398条の20第1項の1号確定と、3号確定の場合に、競売申立てが取下げられた後の効果の違いは…要注意ですよね（肢②と肢③）

1号確定の場合は、根抵当権者の気持ちは、自ら競売申立てしていることを考えれば…もぉ～すでに信頼関係は終わってるんですよね。そう考えれば…競売申立てを取下げても元本確定の効果を維持させることに納得です。


では…答え合わせ…☆

①元本は確定していない

　　→債務者の合併において、債務者が設定者の場合は、元本の確定請求できません。


②元本は確定していない

　　→競売手続の開始の効力が消滅しているので、元本は確定していません。


③平成１９年４月６日

　　→競売の申立てが取下げられても元本確定の効果はそのままです。


④元本は確定していない

　　→不動産が数人の共有である場合は、元本確定請求は共有者全員がする必要があるので。


⑤元本は確定していない

　　→債務者が元本確定請求することはない。


⑥平成１９年３月２５日
　　
　　→根抵当権がＸとＹ準共有の場合は、Ｙが根抵当権者であることに変わりはないので、Ｙの競売申立てによって元本は確定します。

以上です☆

●元本確定事由（１０個）

①確定期日到来

②相続開始後６か月以内に…

③根抵当権者又は債務者の合併＋根抵当権設定者が元本確定請求
　※債務者の合併の場合、債務者が設定者ならダメ

④根抵当権者又は債務者の会社分割＋根抵当権設定者が元本確定請求
　※債務者の会社分割の場合、債務者が設定者ならダメ

⑤確定期日なし＋根抵当権設定後３年経過＋根抵当権設定者が元本確定請求＋請求の時から２週間経過
　※根抵当権の目的の不動産が共有
　　　→共有者全員で請求が必要

⑥根抵当権者が元本確定請求

⑦根抵当権者の競売もしくは担保不動産収益執行又は物上代位による差押えの申立て
　※根抵当権の被担保債権とは関係のない債権に基づく強制競売の申立てでもよい
　※競売申立を取下げても確定したまま

⑧根抵当権者の抵当不動産に対して滞納処分による差押え

⑨第三者の申立てによる抵当権不動産の競売手続の開始又は滞納処分による差押え＋根抵当権者が知って２週間経過
　※競売手続の開始、差押え又は破産手続開始の効力が消滅したら確定しない
　※ただし、根抵当権を目的とする権利を取得した者がいれば確定したまま

⑩債務者又は設定者が破産手続開始決定を受けた


●登記記録上元本が確定していることが明らか（５個）

①確定期日到来

②相続開始後６か月以内に…

③根抵当権者の競売もしくは担保不動産収益執行又は物上代位による差押えの申立て

④根抵当権者の抵当不動産に対して滞納処分による差押え

⑤根抵当権設定者が破産手続開始決定を受け、破産手続開始の登記がされた


●根抵当権者が単独で元本確定の登記申請（３個）

①根抵当権者が元本確定請求

②第三者の申立てによる抵当権不動産の競売手続の開始又は滞納処分による差押え＋根抵当権者が知って２週間経過

③債務者又は設定者が破産手続開始決定を受けた



こんな感じですね。あとは…共有根抵当権と共用根抵当権を確認しないとダメですよね。

①１個の根抵当権を数人が準共有
　　→共有者全員について元本確定事由が生じることが必要
　　→一人が競売申立てすると確定する

②根抵当権の債務者が数人
　　→債務者全員について元本確定事由が生じることが必要


では…次回、問題の答え合わせをしようと思います。

（前提）　　　
　　　　　　●甲土地の所有者　　株式会社A
　　　　　　●根抵当権者　　X


（問題）
　次の場合…元本が確定する日付を答えなさい。ただし、元本が確定しない場合は理由を答えなさい。

①当該根抵当権の債務者が株式会社Aであったが、平成１９年３月５日に株式会社Aは株式会社Bに吸収合併され、同月１６日に設定者である株式会社BがXに対して、債務者の合併を理由に当該根抵当権の元本の確定を請求した。


②平成１９年３月１日にYの申立てにより甲土地について強制競売開始の決定がなされ、翌日に差押えの登記がなされた。Xは同月４日にその事実を知った。そして、同月２２日にYは甲土地の強制競売の申立てを取り下げ、差押えの登記も抹消された。


③平成１９年４月６日、Xは株式会社Aに対する売買代金債権の債務不履行による債務名義に基づき、甲土地に強制競売を申し立て、同日に開始決定がなされ、翌日に差押えの登記がなされた。しかし、同月２３日にXは当該申立てを取り下げ、差押えの登記も抹消された。


④平成１８年１１月６日、株式会社AはBに対して甲土地の所有権の一部２分の１を売り渡す契約をし、その旨の登記がなされた。そして、平成１９年８月１０日、BはXに対し、民法第３９８条の１９第１項の規定に基づき、当該根抵当権の元本の確定を請求する書面を発し、翌日にその書面はXに到達した。


⑤当該根抵当権の債務者がCであったとして、平成１９年８月１０日、CはXに対し、民法第３９８条の１９第１項の規定に基づき、当該根抵当権の元本の確定を請求する書面を発し、翌日にその書面はXに到達した。


⑥平成１８年１２月１日、XはYに対し当該根抵当権の一部を譲渡する契約をし、設定者の承諾も得て同日に一部譲渡による根抵当権の一部移転の登記がなされた。そして、平成１９年３月２５日、Yは当該根抵当権の実行として甲土地の競売を申し立て、同日に開始の決定がなされ、翌日に差押えの登記がなされた。


以上です☆

（申請例）

登記の目的 抵当権設定

登記原因及びその日付 平成19年4月1日金銭消費貸借の設定（但し、設定日付は後記のとおり）

登記事項 債権額 金2000万円
　　　　　　　利息 年〇〇％
　　　　　　　損害金 年〇〇％
　　　　　　　債務者 Ａ

申請人 　　抵当権者 Ｘ
　　　　　　　 設定者 Ａ　 Ｂ

添付書面
登記原因証明情報（被担保債権が発生し、甲土地と乙土地に抵当権が設定された旨が記載された書面）
甲土地甲区〇番の登記済証（登記識別情報）
乙土地甲区〇番の登記済証（登記識別情報）
Ｘ，Ａ及びＢの委任状
Ａ及びＢの印鑑証明書

課税価格 　　金2000万円
登録免許税 金8万円

不動産の表示 　　 （甲土地の表示）
　　　　　　　　　　　原因 平成19年4月1日設定 　所有者 Ａ
　　　　　　　　　　 （乙土地の表示）
　　　　　　　　　　　原因 平成19年4月4日設定 　所有者 Ｂ



次回は…

「利息の元本組入による債権額変更の登記」
「利息の特別登記」
「債務者交替による更改がなされた場合の債務者の変更登記」

…このあたりから攻めてみたいと思います（笑）

以上です☆