問題の所在にも書きましたが…
No.214の肢については…
会計帳簿の閲覧等請求権者である…
親会社社員は裁判所の許可の他にも…「議決権の100分の3以上」や「発行済株式の100分の3以上」の要件が必要なのか?…って問題でした。
そして…
肢No.230と肢No.231については…
清算中に…「公開会社」,「大会社」で
なくなった場合…監査役はどうなるの?…って問題でした。
では…さっそく…No.214から確認です。
まず…433条です。
(会計帳簿の閲覧等の請求)
第四百三十三条 総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の
議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は
発行済株式(自己株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
2 前項の請求があったときは、株式会社は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。
一 当該請求を行う株主(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。
二 請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。
三 請求者が当該株式会社の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。
四 請求者が会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求したとき。
五 請求者が、過去二年以内において、会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。
3 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、会計帳簿又はこれに関する資料について第一項各号に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。 4 前項の親会社社員について第二項各号のいずれかに規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。
問題は…
3項です。
確かに…明文上…裁判所の許可は書かれていますが…「100分の3以上」の要件は書かれていません。
でも…
親会社社員の場合も…「100分の3以上」の要件は必要です。よく問題を解く際の理由付けとして…条文や判例…先例だ!…なんて言いますが…条文上…「100分の3以上」の要件が必要かは明らかではありません。
でも…必要です。
根拠は…立案担当者の見解…(笑)
TU講座やBU講座を受け始めてから…「立案担当者」という言葉をよく耳にするようになりました。
条文の文言上…明らかではなく…「立案担当者」の解釈によって気づく部分や…
時には…「立案担当者」の解釈と…司法書士受験勉強の内容がぶつかる場合もあるようで…
試験に出ないなら…ほっておけばいいのですが…
試験に出てしまうものだから…やっかいです(笑)
例えば…次の問題…
肢No.230と肢No.231です。
こちらは…477条4項が問題となります。
第四百七十七条 清算株式会社には、一人又は二人以上の清算人を置かなければならない。
2 清算株式会社は、定款の定めによって、清算人会、監査役又は監査役会を置くことができる。
3 監査役会を置く旨の定款の定めがある清算株式会社は、清算人会を置かなければならない。
4 第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった時において公開会社又は大会社であった清算株式会社は、監査役を置かなければならない。清算開始時に
公開会社又は大会社であった清算株式は…監査役を置く必要があります
問題は…清算中に…「公開会社」,「大会社」でなくなった場合ですが…条文上明らかではありません。
監査役はどうなるの?…ですが…
前の記事でも書いたように…この知識は既に…
過去問で出題されています。
勉強の範囲として…過去問,条文,判例,先例…ここから離れて…学者の先生が書かれた本を読んだり…試験委員の先生が書かれえた本,立案担当者の本を…読むのはリスクがありそうですが…
ある程度…立案担当者の見解は知っておくのも必要な気がします。
ちなみに…先ほどの
肢No.230と肢No.231は…どちらも…「
×」になります。
コピペついでに…この肢に関するTU講座の解説もコピペします。
かなりやりたい放題です(笑)
(TU講座肢No.230と肢No.231の解説)清算の開始原因が生じた時に公開会社であった株式会社が,清算中に定款を変更して,その発行する全部の株式を譲渡制限株式とした場合であっても,当該株式会社に係る機関の規律の判定時点は,清算開始時であることから,監査役の設置が不要となるわけではない。
このことは,清算の開始原因が生じた時に大会社であった株式会社についても同様である。
つまり,清算手続の進行に伴い負債額が減少し,大会社の要件に該当しなくなったものについても,監査役の設置が不要となることはない。(相澤・新会社法解説p145)過去問で…立案担当者の見解が問われている以上…何らかの対策が必要になっている感じですね。
TU講座的に説明すると…
「立案担当者の本によって初めてわかる部分は目立つから出題される可能性かある」…って感じです。
その意味では…電子書籍「会社法の立案担当者の見解問題集」は…かなりコンパクトで助かります。
で…話を
「夏祭りレポート」に戻します(笑)
なぜ…BU講座不動産登記法のレポートなのに…こんな話になるのかと言いますと…
BU講座の第4回に…この先例が出てきました。
●先例平17.7.26-1665
→不登法59条第6号は,共有物分割禁止の定めが権利に関する登記の登記事項であることを明らかにし,不動産登記令第3条第11号ニにより,共有物分割禁止の定めが権利に関する登記の申請の申請情報の内容とされた。したがって,有限責任事業組合契約に基づく共有物分割禁止の定めに限らず,
所有権の移転の登記の登記権利者間において,共有物分割禁止の定めがある場合には,所有権の移転の登記の申請と同時にその旨の登記の申請をすることは可能であると解される。
また,法(有限責任事業組合契約に関する法律)第3条第1項の出資による所有権の一部移転の登記の場合だけではなく,例えば,組合財産を用いて不動産を購入した場合など,登記権利者が組合員全員となるような所有権の移転の登記を申請する場合であっても,同時に共有物分割禁止の特約の登記を申請することができる。
この周辺知識も…
過去問で出題済です。
ただ…司法書士試験においては…この先例はスルーされる形で出題されています。
司法書士試験プロパーで…ズレる部分です。他にも…ズレる部分があるようで…
立案担当者と…試験問題がぶつかる部分があるようで…
●元本確定後の根抵当権について…持分が申請情報の内容となるか?「元本確定後の根抵当権が共有である場合には,もともと共有根抵当権であったものが確定した場合のほか,もともと単有の根抵当権であったものについて元本確定後にその被担保債権の一部が譲渡等された場合がある。いずれの場合であっても,民法398条の14第1項本文の適用があると解されている。したがって,根抵当権については,元本の確定後であっても,持分が申請情報の内容となることはないといえる。」(金融財政事情研究会「逐条不動産登記令」p39,法務省民事局付河合芳光氏)(根抵当権の共有)
第三百九十八条の十四 根抵当権の共有者は、それぞれその債権額の割合に応じて弁済を受ける。ただし、元本の確定前に、これと異なる割合を定め、又はある者が他の者に先立って弁済を受けるべきことを定めたときは、その定めに従う。
これって…すごい見解ですよね(笑)
確かに…目立つよなぁ…って感じです。
やみくもに…立案担当者や…学者の先生の本を読むことは避けたいですが…
このような目立つ部分は…ピンポイントで覚えておくと役に立つかもしれませんね。
→ 会社法の立案担当者の見解問題集【問題編】→ 会社法の立案担当者の見解問題集【解答解説編】 以上です(`∀´)ノ彡
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